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白石三白「小原の寒くず」

◎くず粉の歴史
寒くずクリックで拡大
小原地区で天明の大飢饉(1782~1788年)前後にくず粉作りが始まったと伝えられています。当時、小原地区には良質のくずが自生しており、「小原のくず粉」として知られていました。昭和20年代には年間生産量約2.5tに達しました。江戸、大坂に運ばれたこともあります。しかし、昭和30年代になり、くずの乱獲や植林により減少。さらにくずの根を掘り出す作業が非常に大変で、そのため昭和55年以降は敬遠され、やがて生産者も減り途絶えてしまいました。

◎くずとは
くずはマメ科のつる性の多年草で、北海道から九州まで日本各地に分布。秋の七草の一つです。その根を用いて食品の葛粉や漢方薬が作られています。

食品としてのくず
くずの根から採れるでんぷんを精製したものがくず粉となります。くずまんじゅうやくずきり等の和菓子の原料となったり、白石では小原のくずを使った「葛粉温麺」や「葛アイス」等加工食品も作られました。

薬としてのくず
くず粉をお湯で溶かし砂糖を混ぜた「くず湯」は栄養があって消化がよいため、昔から病人食とされてきました。また、根を乾燥させたものを葛根(かっこん)という生薬名で呼び、解熱や発汗作用がよいとされます。さらにくず粉にはイソフラボンが含まれているとのことで、糖尿病や更年期障害、骨粗鬆症、乳癌、子宮癌、前立腺癌の治療もしくは改善に効果があるとされます。

◎小原の寒くずの特徴
小原産のくず粉は、本物にこだわり純白かつ純度100%の天然くず粉のことを“本くず"と呼び、なめらかで口当たりが良いのですが、多少の苦みを伴います。この苦みが薄いと薬効が落ちると言われています。本くずは冷やしても透明感が持続し、芋から作るでんぷんとは違い、きめ細やかな舌触りは和菓子の原料としても最適。

◎小原の寒くずの復活、そして・・・
平成7年、白石城が復元されたことをきっかけに、白石三白の「寒くず」の生産を復活させようと、小原大熊地区の果樹農家の皆さんに白石市が働きかけ、平成8年1月に「小原地区寒葛生産組合」を設立。小室さんを組合長として生産を復活させ、年々生産量を伸ばし平成10年には190sの生産量に達しました。
しかし、原料となるでんぷんを含んだくず根が減少し、思うように作業が出来ない状況になってきました。そこで平成8年の春に原料不足を解消しようと地元の耕作の跡地を利用して試験的にくずの栽培を始めました。くずが成長するのは年月を要し、最低は10年かかるとのこと。さらに良質で純白なくず粉となるにはさらに20~30年かかると言われています。栽培するのもイノシシなどの被害に遭い非常に難しく、現在、生産が途絶えた状況です。
寒くず
◎小原の寒くずの生産工程
100sのくずの根から採れるくず粉はわずか5~6sほど。11月頃から始まるくずの根の掘り出し作業から始まり、3月までの寒い時期に行われます。これは、この時期に原料となるくずの根にでんぷん質が多くなるためです。
また、くず粉は、くずの根を粉砕してでんぷんを取り出し、水にさらす作業を何度も繰り返して切り分け、自然乾燥させて完成となります。良質のくず粉を作るには水は清く冷たくなければならず、空気は乾燥していなければなりません。温かい時期だと粉が純白になりにくいためでもあります。真冬の冷たい清らかな水で手作業で丹念に精製して誕生したものが、名品小原の寒くずなのであります。
寒くず 寒くず 寒くず
1.くずの根の掘り出し作業
晩秋に地元の山に自生している天然のくずの根を掘っていきます。かなりの重労働となります。良い品質となるには20~30年必要となります。
2.くず根の切断作業
くず根の切断作業
掘り出してきた根を、粉砕機に入る大きさに切断します。

3.くずの根の粉砕作業
くずの根の粉砕作業
切断したくずの根を粉砕機でつぶして、でんぷんを抽出しやすくします。
でんぷんを抽出 でんぷんを抽出 でんぷんを抽出
4.くずの根のもみ出し作業
つぶしたくずの根を水を張った桶の中に入れ、でんぷんをもみ出すようにしてくずの根の繊維質とでんぷんを分けます。
くずの根のもみ出し作業 くずの根のもみ出し作業 くずの根のもみ出し作業
5.繊維質との分別作業
でんぷんを取り除いたもの(繊維質)を分別し、廃棄します。
繊維質との分別 繊維質との分別
6.でんぷんのろ過作業
でんぷんを含んだ水を木綿の袋でろ過して不純物などを取り除きます。
でんぷんのろ過 でんぷんのろ過 でんぷんのろ過
7.くずの沈殿と精製作業
不純物を取り除いたものを一昼夜かけて沈殿させ、約6日間、ろ過と沈殿を繰り返し純白になるまで精製します。
くず粉の乾燥作業 くず粉の乾燥作業
8.くず粉の乾燥作業
精製したくず粉を適当な大きさに切り分けて、約20日間陰干しで乾燥させます。
小原の寒くず
9.小原の寒くずの完成
乾燥したくず粉をさらに細かく砕き、完成となります。
高温殺菌 高温殺菌
冬の日を穏やかに過ごしたくず粉は眩しいほどの純白になります。
資料協力  白石市産業部農林課

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